
冬の月は天高く、孤高に冴え冴えと輝いている。冬は、冷気と澄み渡る大気の故か、一層気高く深閑として見える。その孤高の輝きの理由は、月天心あるいは沖天心の言葉とおり、天頂に届きそうなこの季節ならではの高い高度で輝いているからである。北半球では、太陽の高度は冬至に最も低く、夏至に最も高くなる。さらに、満月の時、月と太陽は地球を挟んでちょうど反対側に位置している。そして、月はおおよそ太陽の通り道の黄道上を動いているから、月と太陽の高さは逆の関係となる。したがって、太陽高度の高い夏至の頃の満月は高度が低く見え、逆に、太陽高度の低い冬至の頃には満月は頭上高く見えるのである。

冬至にかならず満月になる訳ではないから、月天心を撮影するチャンスは冬至前後の満月の日ということになる。この冬は皆既月食のあった12月の11日と昨日がその日である。南中時刻は寒い真夜中。もう止めにしようかと何度も思うのだが、これを逃すと来年までお預け。気を取り直して寒空で撮影した。
撮影:2012.01.09/ Canon EF16-35mm F2.8L
/ Nikkor AF-S ED600mm F4DⅡ+TC14EⅡ
*下は東の空に昇り始めた頃の赤い月。