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芋の露

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昨日は、用事を色々予定していたので、早朝に菜園に行った。
周りの水田のイネの葉には朝露がたっぷり降りて、
白銀に輝く無数の光の粒が美しい。
順調に育っている菜園のサトイモの葉にも大小の露の玉が乗っている。
暫くそれを見ていると、大きな露を取り囲んでいる小さな露が、
大きい方の露にスッと吸い込まれるように取り込まれ、
次第にひとつの大きな露の玉に成って行く。
こればかりはスチル写真では写しと止めることの出来ないシーンだろう。
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日陰の葉を見ると、こちらはより微細な露が葉一面にビッシリ付いている。
葉に朝の陽が当たり始めると、露の粒は隣同士がどんどんくっ付き合って、
仕舞いには見慣れた大きな「芋の露」に成るようである。

芋の露で直ぐに連想するのは、
飯田蛇笏の「芋の露連山影を正しうす」だろう。
小さな露の美しさだけに心を引かれるだけの私のような凡人とは違い、
露の玉に映る周辺の雄大な山並の端整さをも見逃さない。
大と小のコントラストを見事に短い詩句に捉えるて見せるのである。
さらに、目の前の露の玉と遙かな山の陰との遠近感をも、
風景写真以上に雄弁に描写して見せる。

街撮りスナップも、人物写真も、そしてネイチャー系の写真も、
写真の主流は広角系だが、そうしたトレンドとは関係なく、
蛇笏は、もう遙か昔に、詩の言葉によって、
雄大な風景をパースペクティブに 映像化していたのである。
詩的感性も絵画的なセンスも持ち合わせない身としては、
十年一日の如く陳腐なマクロ写真で、
小さな季節の風景を記録する術しかないのが実に哀しい。

ところで、露は秋の季語と、以前の記事でも書いている。
なお夏盛りなのに、季語の世界では、この季節の露は不似合いかもしれない。
しかし、二週間もすれば二十四節気の立秋である。
太陽の運行、気象の変化を先取りして、
季節の移ろいを伝えてくれるのがこのすばらしい自然の暦。
サトイモの葉に結ばれた無数の小さな露は、
初秋の訪れが近いことを、そっと教えてくれているのに違いない。
撮影:2010.07.19 / TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8

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by escu_lenta_05 | 2010-07-20 10:44 | 季節
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