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羽化失敗

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庭掃除をしていた家人が、セミが羽化しているというので見に行くと、
メドセージの葉の裏に、胸の辺りが裂けてまさにその瞬間のアブラゼミがいた。
仕事を中断して、さあ撮影となるはずだったが、
良く見れば、出てきた頭部はすでに茶褐色をしている。
羽化の瞬間なら、体色は乳白色をしているはずだ。
暫く見ていたが、全く動く気配がない。
残念、何らかの原因で、羽化の途中で死んでしまっているのだった。

アブラゼミは、卵期1年 、幼虫期間5年で、
幼虫はこの間暗い地中で木の根の汁を吸って過ごしている。
そして、成虫期間は1週間から1ヶ月。
長い地中生活から首尾良く明るい世界に出て来ても、
このように、羽ばたくこともなく死んでしまったりするのである。
さらには、無事に羽化したとしても、
待ちかまえていた野鳥に食べられたりと、
子孫を残すまで生き延びるには、幾つもの試練が待ち構えている。

雌雄の親2頭から、2頭の子が無事に育てば、
個体数は増減無く維持されることになる。
セミの雌の産卵数はが300~600個という。
そうすると、生まれた卵のほとんどは親に成る前に死んでしまう訳で、
ほんの一握りが運良く親まで育つのがセミの現実だ。
気の毒だが、羽化の途中で死んでしまったり、
野鳥の餌食になるのは至極当たり前の出来事なのである。

ようやく羽化を間近に息絶えたセミを見ると、
実に気の毒だと思うのだが、
近年、大発生傾向によって、
騒音公害を引き起こしかねないようなクマゼミには、
渋い顔をしてしまうのだから、
人間という動物は(自分を含めて)何と勝手な生きものなのだろうか。
撮影:2010.07.20 / Canon Compact-Macro EF50mm F2.5

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by escu_lenta_05 | 2010-07-22 09:02 | セミ・カメムシ
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