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春の雪と淡雪

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「春の雪」や「春雪」は言うまでも無く春に降る雪のことである。
北海道や東北などの北の地方では11月から4月まで、
秋から春までの長い期間に亘って雪が降るが、
冬に温暖な西日本などでは、雪は寒い冬のものと思い込んでいる。
そうだから、気温が高くなった春に降る雪は珍しく、
季節外れの春に降る雪は特別な出来事に思えるのである。
それで、「春の雪」や「春雪」と「春」を強調して呼ばずにはおれないのだろう。

西日本の太平洋側では、冬は晴れ間(冬晴れの日)が多く、雪が降るのは稀である。
意外だが、この地方で本格的な雪が降るのは、むしろ立春以降に多い。
春になると、本州南岸を接近しながら進む南岸低気圧がやって来るようになり、
雨の降る日も訪れるようになる。
そこに、春になって衰えたはずの大陸の高気圧がぶり返し
「寒の戻り」がやって来ると、上空の大気が急冷やされ、
「春の雨」はたちまち「春の雪」に変わってしまうからである。

3月15日(陰暦 2月15日)前後に行われる涅槃会の頃に降る雪を「涅槃雪」という。
涅槃会は冬の終りの節目の日だから、
この頃以降に降る雪を「春の雪」と呼ぶのがふさわしいのかもしれない。
西日本では、この頃から降る雪はその冬の降りじまいになることが多い。
「名残の雪」、「雪の名残」、「雪の終」、「忘れ雪」、「雪の別れ」、「雪の果て」、「終雪」などと呼ばれるその冬の最後の雪となるのである。
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「淡雪」も春の雪である。
淡雪は真冬に比べればずっと気温の高い時期に降るから、
地面に落ちると早々に解けてしまい、
降る間にすっかり解けて無くなったりするのである。
つかの間の儚い雪である。
共に春に降る雪には違いないが、「春の雪」は降る季節に重きがあり、
「淡雪」は雪の降り方や形状を観ているのである。
微妙にニュアンスを異にしている。

春の淡雪は水分が多くべっとりとしている。
解けやすいこの雪は、結晶同士がくっ付き、
「牡丹雪」、「綿雪」、「太平(たびら)雪」などの大きな雪片になるのである。
詩的な響きに満ちた春の雪だが、
この水っぽく重たい雪は、降り積もると庭木の枝を折り、農作物を押しつぶす。
うっとりと眺めている間に、思わぬ雪害をもたらすから要注意でもある。
撮影:2011.2.14 / TAMRON AF28-300mm F/3.5-6.3 XR Di VC(上);
Canon EF16-35mm F2.8L(下)

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by escu_lenta_05 | 2011-02-17 10:42 | 季節
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