出会う昆虫の姿にも秋の深まりを感じる。
赤錆びた鉄板に止まるこのコカマキリも晩秋の風景そのものである。
古びたブロンズを思わせる体色。
複眼の片方が傷つき、落ち武者のような風貌。
寂寥感に溢れている。
カマキリの体色には、緑色系と褐色系があるが、
コカマキリはほとんど褐色系で、緑色系は稀である。
カマキリの体色だが、秋の深まりと共に枯れた色になるのではなく、
羽化した時の体色に変化はないのである。
俳句の季語に「枯蟷螂」がある。
緑の草木が秋になり褐色に色変わりしてしまう様子と、
秋めいて枯れ木色になったカマキリを詠んだと思しき俳句をよく見かけるが、
それは観察不足や思い違いということになる。
枯蟷螂の過去の記事もご覧ください。→「
枯蟷螂」
撮影:2011.10.28 / (上)TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8(上)/
(下)CANON EF28-80mm F3.5-5.6 II(改)
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