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クチナガハリバエの不思議な行動

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庭の洗い場の縁にハエが止まっている。胸背と腹部に鋭い毛が生え、脚がやや長め。どうやらヤドリバエの一種のようだ。
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マクロレンズで覗いて驚いた。口吻がシギゾウムシのように長い。さらにビックリ。その端に水玉が付いている。暫く見ていると、水玉は吸い込まれて直ぐに消えてしまった。また暫くすると、水玉が再び現れだんだん大きく膨らんで行く。水玉が消えたり現れたり、この不思議な行動を何度も繰り返している。
チョウにはポンピングという行動がある。水の滲みた地面で吸水するチョウが、口吻で水を吸いながら、お尻の先からおしっこのように水を排出する行動である。暑い盛りに偶に見ることが出来るが、これは体温を下げるための行動だと見られている。
今は夏盛りでもなく、しかも早朝。ヤドリバエが体の冷却のためにポンピングしているとは思えない。それに、口吻の先の液体はほんの少し。これでは水冷却効果は期待できそうにもない。では一体なんのための行動なのだろうとネットを探る。
どうやら吸った液を口吻の先で空気に晒し、水分を飛ばして濃度を高める行動のようだ。言われてみれば、クチナガハリバエに限ったことではない。他のハエでも、口吻の先に水玉をつけているのを何度か見たのを思い出した。ことさら長い口吻の先で消えたり現れたりする場面が、あまりに印象的だったから、とても特別な行動に思えただけのようである。
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種名を調べてみれば、このハエはコガネムシの幼虫に寄生するクチナガハリバエのようである。長い口吻は花の蜜を吸うためらしい。果たしてそうなのかと、満開のタイムの花を探すと直ぐに見つかった。実際に花の蜜を吸う様子を見ると、長い口吻の訳を納得する。
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更に花を見ていると、姿形はそっくりだが、口吻の短いのがいる。さてこれは別種なのか、それとも雌雄差なのだろうか。ご存じの方はご教示下さい。

撮影:2012.6.26 / NIKKOR ED70-180mm F4.5-5.6D
*クリックで画像は少し拡大します。
by escu_lenta_05 | 2012-06-27 09:51 | ハエ・アブ・カ
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