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半夏生

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二十四節気の夏至の末候は「半夏(はんげ)生ず」。半夏の花が咲く頃の意で、新暦では7月2日(本年は1日)~6日頃である。昔の人は、「半夏」の前夜は早くに雨戸を引き立て、井戸に蓋を閉め、当日は竹の子や生野菜を食べるのを避けた。この日の暁に、天から毒気が降ると信じられていたのである。半夏生には「半夏蛸」や「半夏うどん」を食べる風習が今も残っている。高温で湿度が高く、カビやばい菌が繁殖しやすい時期、薬膳を食べて毒から逃れ、健康に過ごそうという古くからの習わしである。
半夏(はんげ)と聞いて、多くの人が上の写真のドクダミ科のハンゲショウを思い描くに違いない。庭の水鉢に植えたハンゲショウも、「半夏生」の頃に花を咲かせる。化粧したように、葉の半分が白化するのが語源である。
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だが、本命は漢名が「半夏」のカラスビシャク(烏柄杓)の方である。カラスビシャク(写真中・下)は、毒蛇が鎌首をもたげ、細長い舌を出しているかのような奇妙な花を地中からニョッキリと出す。見た目からしてあやしげな花姿だ。本家を主張するかのように、こちらは庭の池の淵に長い花茎を伸ばして咲いている。
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三ヶ月に亘り雨が降り続くインドの雨期。釈迦は、は虫類のたむろするこの時節の托鉢で、僧侶が毒蛇の難に遭わぬよう、寺院の一室に籠もり修行する制度を設けた。仏教の夏業の「夏安居(げあんご)」はこれに由来している。90日にも及ぶこの業の中間点が「半夏」。因みに、夏業の終わりを「解夏(げげ)」という。さだまさしの原作による映画『解夏』で、すっかりなじみになった仏教用語である。
 七十二候や雑節が農事の暦として重要であった時代、「半夏生」はそれまでに田植えを済ませる時節であり、この日に雨が降れば「半夏雨」と言い、大雨に見舞われると畏れられた。毎年この時期になれば、日本の何処かで梅雨末期の大雨が怖い牙を向けるのは、現在でも変わりない。

撮影:2012.7.1 / Canon EF100mm F2.8L Macro IS USM
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by escu_lenta_05 | 2012-07-02 08:37 | 季節
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