イエス・キリストの誕生を祝い、宝物を手にして馬小屋へ向かう東方の三博士。
一目見ようと人々もその後を追う。
羊飼いの少女マデロンもその一人。
だが、貧しい少女には捧げものなど有りはしない。
嘆き悲しんでいると、白いユリを手にした天使が現れて、
その花で大地を触れると、そこに純白の花が咲き誇った。
大喜びのマデロンはそれを花束にして、イエスに捧げた。
赤子はその花束に手を差し伸べて、優しく微笑んだという。
この有名なクリスマスローズの逸話の白い花は、Helleborus niger(ニゲル)。
アルプスの地中海側の石灰岩地帯に野生し、
12月から2月に、雪のように白い花を咲かせるから、
まさにクリスマスに相応しい花である。
最近は、クリスマスローズは人気の花で、聖夜をこの花で飾りたいと買い求める人も少なくないだろ。
だが、園芸店で売られている品種の多くは、
2月から3月が花期のHelleborus orientalis(オリエンタリス)を交配親にした「ヒブリダス」。
だから、クリスマスを過ぎても一向に咲く気配はない訳で、
ロマンチックな夜を期待した人をがっかりさせることになるのである。
このようにヒブリダスの花盛りは、クリスマスをとっくに過ぎ、雪の消えかかる早春だから、
奇異な気はするが、寧ろ彼岸の花に相応しいのである。
それでもクリスマに花を見たいのであれば、ニケル系の品種を選ぶか、
温室栽培で開花調整した花を買い求めれば良いだろう。
[Nikon D2X ED70-180mm F4.5-5.6D]
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