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クリスマスローズの蜜腺

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クリスマスローズに花弁が無いと聞けば驚く人も多いだろう。
花の花弁と見えるのは、実はがく片。
そう言われてまじまじ眺めて観れば、普通の花の花弁に比べれば、
厚ぼったくて何だかかごわごわした感じがする。
花も一月以上も散らずに残っているから、
成るほどそうかもしれないと納得してもらえるだろう。

では一体、花弁は何処に消えたのだろうと思えば、
虫を呼ぶ蜜腺(ネクタリン)に変身してしまっているのだ。
写真の、蕊を取り囲んでいる前歯に似た器官がそれである。

この蜜腺は受粉すると直ぐにポロリと落ちてしまうから、
開花して大分日の経った花を見ると、
雄蕊も蜜腺もすっかり落ちて、がく片と雌蕊だけが残り、
随分間の抜けた感じに見えてしまうのである。

この蜜腺、クリスマスローズの品種改良に欠かせない肝なのだ。
蜜腺が黒や濃紫などの濃い色のものは「ネクタリー」、「フラッシュ」などと呼ばれ、
色変わりの花として喜ばれている。
そして、蜜腺が膨らんで花弁状になったものを「セミダブル」、
さらに、豪華な八重咲き、アネモネ咲き、唐子咲きなどの「ダブル」は人気の品種となっている。

園芸植物としてのクリスマスローズの華々しい将来は、
退化して前歯のように成ってしまった花弁の化身の気まぐれぶりに握られているというのは、
何とも皮肉なことである。
[Nikon D2X ED70-180mm F4.5-5.6D]

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by escu_lenta_05 | 2007-03-30 06:35 | 植物
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