[Field of early winter where harvest ended]
あと二日で大雪に入る。
二十四節気では、直に仲冬ということになる。
温暖化やヒートアイランド現象も影響して、
近年は、特に初冬や仲冬は暖冬傾向だったから、
この古来の暦が、あまりに季節を早取りしていると感じたが、
今年は例年になく冬が足早にやって来たから、
違和感もなく、美しい言葉として響く。
里山に立てば、北西の風が吹きつけ、
その風の冷たさにも、近づく仲冬を思わせる。
人影の絶えた畑は、
早々と夕景になってしまいそうな冬陽の斜光に照らされている。
畝を覆っていたマルティング用の黒いビニールが、
思い出したように沸き起こる木枯らしに、
燻銀のような光を揺らしながらぱたぱたと喚く。
「朽野」、「枯野」、「冬野」、「冬田」。
微かに青草を残す里山だが、
北風に揉まれる日を重ねる内に、
こうした寂寥感の漂う冬の景を写す言葉が良く似合う里へと変貌するのだろう。
すっかり草木の枯れた風景に包まれると、
知らず知らずに、人は絶望や失意だけが醸成されるのだろうか。
「過去は運にけふは枯野に躓けり」 鈴木真砂女
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