ブログトップ

Colocasia's Photo World

colocasia.exblog.jp

カテゴリ:季節( 108 )

穭田

e0089532_8493260.jpg

裸木が目立ち始めた谷津田だが、日当たりの良い畔にはまだ青い草が残っている。陽だまりにはコバネイナゴやナツアカネなどが日光浴に集まり、跳ねたり飛んだりと、そこばかりはとても仲冬とは思えない様子である。
e0089532_850291.jpg

今年の秋は例年以上の高温だったからだろう。秋に刈り取った稲の株から新しく稲が葉を広げている。刈った後から新しく生え出した稲が穭(ひつじ)。遠くから見る刈田には緑の帯が幾筋も並んで、仲冬とは思えない穭田の風景となっている。
e0089532_8503362.jpg

近づいて穭を観れば、穂が出て実りが近いようである。稲が再び実るのも、例年にない暖かな気候の証かもしれない。
e0089532_8505342.jpg

冬まで生き延びたコバネイナゴにとって、今なお青々とした稲はとてもありがたい恵みに間違いないだろう。
撮影:2011.12.10 /Canon EF75-300mm F4.-5.6mm(上、中) /
Micro-NIKKOR 105mm F2.8D(下)

*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-12-15 08:51 | 季節

落葉時

e0089532_11313012.jpg

紅葉狩りの主流はモミジの紅葉で、その名所は桜の花見に劣らぬ賑わいを見せる。人だかりが苦手なので、モミジもサクラもそのような場所に出向くことはほとんどない。それより、近場の野山の紅葉や黄葉はそれに劣らず綺麗だと思うからでもある。海老茶に染まったコナラやアベマキの生える里の山が夕日に照らされる時、その意外なほどの味わい深い色彩には驚かされる。この雑木林の「雑木紅葉」は「楢紅葉」や「柞紅葉(ははそもみぢ)」と呼ばれ、古くから身近な季節の風景として愛でられて来たのである。
e0089532_11321724.jpg

そんな里の山の紅葉はもう盛りを過ぎて、木々は見る見る葉を落とし、裸木が随分と目立っている。そして、林床に積もる落ち葉は日ごとに厚くなって行く。降り積もった落ち葉が美しく見えるのはほんの一時。雨が降る度にふわふわとした感触や色合いは一気に失われてしまう。今年は丁度良い頃合いに、厚く積もった「落葉時」の落ち葉を見ることが出来たのはうれしい。
撮影:2011.12.07 / Canon EF16-35mm F2.8L
*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-12-13 11:32 | 季節

大雪の小宇宙

e0089532_681585.jpg

12月7日は二十四節季の「大雪」。冬至前日の12月21日までが大雪の気(期間)ということになる。先月は例年にない暖かさで、紅葉はかなり遅れ気味だったが、ここ数日は最低気温が8℃台まで冷え込むようになり、野山は一気に色鮮やかさを増している。林道に降り積もる落ち葉は、先日より更に深く積もり、大木の下は箒で掃き寄せたかのように厚く深く積もっていて、間違いなく仲冬の気配が漂い始めている。
大雪は太陽黄経が255度の点を通過する日。大雪の降る頃の意で、北国の山は雪に覆われ、北陸や中国地方の日本海沿岸にも雪が積もり始める。確かに北国では暦通りに積雪が記録されたようで、TVニュースにその様子が流されていた。近畿、四国、九州では十二月初旬から中旬に初雪が見られるが、雪国以外では厚く積もる程の降雪はまだまだ先のことである。東京や大阪では更に初雪は遅い。東京での過去30年の記録平均(平年値)は1月2日と驚くほど遅い。東京の初霜の平年値が12月14日だから、大雪の気は「雪」ではなく「霜が」降り始める頃なのである。
e0089532_684010.jpg

雪は望めないにしてもその片鱗でもないものかと里山を歩いていると、初雪と見紛う風景があった。それは冬枯れで薄く赤茶に染まったススキの葉の上にあった。霰のような雪のような純白の塊だ。正体はワタアブラムシの仲間のカンショワタムシ。先日のブログに登場したエノキワタアブラムシと同様に、体に白い蝋物質を纏っている。遠目には薄く積もった雪のようである。
e0089532_69312.jpg

カンショワタアブラムシはサトウキビの害虫として知られていて、ススキも寄主植物の一つである。エノキワタアブラムシでは有翅型も白い蝋物質を纏っているが、こちらはそういうことはないので、残念ながら小雪が舞うような風流を見せてはくれない。それでも、雪の季節の疑似体験をさせてもらったことに変わりはない。季節を写す小宇宙の住人に感謝である。
撮影:2011.12.07 / Canon EF16-35mm F2.8L(上)/
NIKKOR ED70-180mm F4.5-5.6D(中・下)
*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-12-08 06:10 | 季節

「金盞」はキンセンカか、それともスイセンか?

e0089532_18583161.jpg

庭のスイセンが咲き出したのは1週間ほど前のことである。
例年に比べると随分早い開花だ。
これはニホンズイセンに良く似た別の品種だから、
比較するのは乱暴かもしれないが、
ニホンズイセンの開花の平年値は、九州などの温暖地で12月下旬で、
日本の西部の多くでは1月から2月となっている。
東北や北海道などの寒冷な地方では、3月から4月とさらに遅い。
我が神戸では2月3日となっているから、
今年はかなり早く咲いたことになる。
ところが、二十四節気七十二候では立冬の末候(新暦の11月18日頃)が
「金盞(きんせん)香(さく)」となっている。
金盞とは今で言うスイセンのことだそうだ。
古い暦が教えるように、早咲きではなく、
ほとんど時期を違わず開花したことになる。
とはいえ、現代では11月中旬にスイセンの花が咲くのはかなり稀なことであろう。
では一体なぜ、七十二候という古い暦にそう書き記されているのだろう。
その不思議を、以前に、二十四節気と植物の講演で
話題のひとつにさせて頂いたのだった。
以下がその要約です。興味のある方はお読みください。
_________________________________
 立冬の末候(11月18日頃)は、七十二候で「金盞(きんせん)香(さく)」とある。多くの文献で、七十二候の「金盞」はスイセンのことだとされているが、気象庁によるスイセンの開花平年値は、最も早い地域で12月10日前後であり、多くは年末から年明けとなっており、暦と実態がそぐわない。このことから、七十二候の金盞がはたしてスイセンを指すのか疑問である。さらに、スイセンの開花日は年により大きな遅速がみられ、自然暦の指標植物として適切な種ではないように思う。
 スイセンの日本史上で最も古い記録は、平安時代末期の九条良経(1169~1206)が描いた色紙だとされ、15世紀以降は各種文献に登場するようになる。室町時代、スイセンの最初の記録は、東麓破衲の漢和辞書『下学集』(1444)の早木門において、漢名を「水仙華」、和名を「雪中華」と紹介した記述であり、「金盞(きんせん)」は水仙の異名として使われていたようだ。金盞は正しくは「きんさん」と読み、剣状の葉の間から伸びる花茎の先につく白銀を思わす白い6枚の花冠、中央を飾る濃黄色の盃状の副花冠から水仙の花の咲く様を「金盞銀台」いうのである。
 一方、花壇に植えたり切り花として良く使われるお馴染みのキク科のキンセンカは、花が黄金色で盞(さかずき)の形をしているから「金盞花」という。また、隋の統一前の梁の魚弘という人が賭けすごろくに勝ち、 金銭よりも珍花を求めたので、かの花が「金銭花」と呼ばれるようになったともいう逸話もある。その後「金銭花」が「金盞花」に転化したのだそうだ。
 キンセンカの属名はカレンデュラ(Carendula)で、ラテン語の「毎月の第1日、朔」に由来している。月の初め、転じて1ヶ月を指し、1ヶ月もの長期間咲き続ける、毎月朔日に咲くなどの諸説ある。また、10月から5月と花期が長いことから、「冬知らず」とも呼ばれる。カレンジュラは欧米ではポットマリーゴールド(聖母マリアの黄金の花)の名もあり、。南ヨーロッパの地中海沿岸地方原産で、江戸時代の末に中国から渡来した。
 さて、暦学者の渋川春海は、貞享改暦(1684)で「本邦七十二候」を編纂し、これでは二十四節気の大雪末候を「水仙開く」とした。これなら12月下旬頃だから、現在の開花の状況とさほど違和感はないだろう。ところが、宝暦暦以降では大雪の末候は「鮭群がる」に変更され、替わって立冬末候は「金盞(きんせん)香(さく)」となり、「水仙開く」は消えたしまった。金盞はキンセンカなのか、それともスイセンなのか、宝暦暦の改暦がその謎を解く鍵のようである。

撮影:2011.11.23 / TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8
*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-11-28 18:59 | 季節

小春日和

e0089532_20475226.jpg

昨日のブログの記事に、二十四節気の立冬の気(期間)は、
暦上では初冬だが、晩秋のようでもあり、
初冬のようでもある中途半端な季節であることを書いた。
冬らしい寒さの日もあるにはあるが、穏やかな晴天の日も訪れる時節である。

さて、今日は、気温が20℃もある暖かな陽気となった。
まさに「小春日和」の一日であった。
里山を歩くと、木々はすでに紅葉が始まっている。
空を仰ぎ見ると、太陽のある辺りは青空と白い雲が秋らしい気配を漂わせているが、
傍らには寒冷前線の鉛色を帯びた雲が窺がっていて、
秋と冬とがせめぎ合う季節であることを知らされる。
e0089532_20481974.jpg

棚田の畔にも秋と冬とが交錯していた。
枯草の上には、暫く前に息絶えたらしい
黒ずんだコバネイナゴ(エゾイナゴ)の屍が転がっていた。
だが、まだ青草の残る辺りに足を踏み入れる度に、
コバネイナゴが元気に飛び出して来て、
まだ冬は先のことかと錯覚してしまう位である。
e0089532_2049494.jpg

青いスギナの葉先に止まっていたのはハネナガヒシバッタ。
こちらは成虫越冬するヒシバッタの仲間だから、
なお冬を耐えて生き続けなければならないから、
越冬を前に、小春日和の温もりを暫し楽しんでいるのだろうか。

撮影:2011.11.20 / TAMRON IF28-75mm F2.8(上)/
NIKKOR ED70-180mm F4.5-5.6D

*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-11-20 20:49 | 季節

「晩秋初冬」の雨

e0089532_16471082.jpg

今は立冬の末候で、二十四節気では初冬。
後4日もすれば「小雪」の気である。
とは言っても、時には暖かな日もあったりするから、
現実には晩秋のようでもあり、
初冬のようでもある中途半端な季節である。
お天気博士で名高い倉嶋厚さんは、
こんな季節を「晩秋初冬」と上手く表現している。
e0089532_16475420.jpg

立冬前後から、日本付近を低気圧と高気圧が交互に通過し、
今の時期は天気が周期的に変わりやすくなる。
この冬型の気圧配置は長続きせず、
直ぐに大陸高気圧に覆われ穏やかな晴天の「小春日和」となったりする。
こんな冬晴れの日、昼間は20度近くでも、
朝晩には10度を切ることもある。
まだ体が寒さになれていないから、朝晩の冷え込みが身に浸み、
寒の激しさにコートや手袋が欲しくなり、
コタツやストーブなどの暖房器具もそろそろ出番だろうか。
e0089532_16484043.jpg

今日はそんな時節の低気圧に覆われ、
早朝から生憎の雨が降り続いている。
雨の日は雨を写せば良いと思い、
所用の帰り道に、しばらく里の田んぼ周りで雨の風景にレンズを向けた。
冬の雨にしては暖かな、まさに「晩秋初冬」にぴったりの
中途半端な季節の雨降りである。

撮影:2011.11.19 /Sonnar 135mmF2.8
*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-11-19 16:49 | 季節

レモングラスの紅葉

e0089532_18314787.jpg

先日のブログに書いたように、今は二十四節気の霜降の気(期間)である。
しかし、とてもとても霜の降りそうな気配などない。
昨日の地元の気象台のデータによると、最低気温は8.7℃。
霜の風景を撮影出来るのは当分先のことだろう。

霜がだめなら朝露でもと願うのだが、
こちらも全然降りはしないから、
紅色に染まった鉢植えのレモングラスの雨粒で、
何とかそれらしい季節を写してみる。
撮影:2011.10.30 / Planar 50mm F1.4、接写リング使用

*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-10-31 18:32 | 季節

ウスキツバメエダシャク

e0089532_17495467.jpg

ウスキツバメエダシャクの前翅が一枚葉の上に乗っていた。
その翅に朝露がたっぷりと降り注いでいる。
このところ、朝晩がかなり冷え込むようになったから、
露が出来やすい気象条件なのだろう。

9日が寒露、24日が霜降で、
10月の二十四節気はどれも結露に由来している。
今は霜降の気(期間)だが、
露は降っても霜になる程低温にはならない。
二十四節気は、寒さの訪れが日本より一月程速い中国内陸部が発祥の地だから、
暦の進みを聊かせっかちに感じてしまう。
しかし、暖房や衣服など、様々な準備をする季節になったことを
いち早く知らせてくれるありがたい生活暦なのである。
撮影:2011.10.28 / TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8

*クリックで画像は少し拡大します。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-10-28 17:50 | 季節

講演会のご案内

下の講演会は9月23日に変更になりました。


↓講演会は台風12号による警報の発令で中止になりました。
日を改めて開催の予定です。


「植物と暦」のテーマで9月4日(午後3時から4時)に講演を予定しています。
場所は、毎年3回ほどお話をさせていただいている神戸製鋼さんの灘浜サイエンススクエアーです。
詳しくはHPをご覧下さい。↓
「植物と暦 ~人の暮らしと植物~ 続編」
入場無料、定員100名。事前申し込みの必要はありません。
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-09-02 10:23 | 季節

早苗田

e0089532_21303793.jpg

芒種は陽暦の6月5~6日頃で、太陽の黄経が75度の点を通過する日である。
芒種は、麦や稲などの芒(のぎ)のある穀物を播種する頃の意である。
その芒種の気(期間)も今日で終わりで、明日からは夏至の気に入る。
芒種は梅雨最中で、種を播いたり、
苗を植えたりと田の作業で多忙な頃だ。
e0089532_2131550.jpg

芒種の気の和風月名である「皐月」は「早苗月(さなえづき)」を略したという説がある。
しかし、近年は気象や栽培技術の変化などにより、
ほとんどの地方で5月20前後には田植えの完了する地方が多くなっているが、
これより遅めのわが町の田植えは、ようやく終わろうとしている。
撮影:2011.6.20 / Canon EF75-300mm F4-5.6
[PR]
by escu_lenta_05 | 2011-06-21 21:31 | 季節