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Colocasia's Photo World

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<   2005年 11月 ( 14 )   > この月の画像一覧

帰郷

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「あー、よかった。元気にしてるんだ。」
掘り返されて日の浅い、まだ湿り気を帯びた田んぼの土塊を見て安堵する。

だが、瞬く間に不安が体中を覆い尽くした。
ばーちゃんの家の戸は全て引き立てられていた。
「ばーちゃん!、ばーちゃん!、・・・」と、何度も戸を叩いて叫んだ。
[Nikon D1X ED70-180mm F4.5-5.6D]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-30 05:33 | 風景

尽きる頃

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木々の変容は儚い残像となって
褐色の撓みに力無く吸い寄せられ
やがて、東の空から
淡色の口腔がすべてを占有するのだろう。
[Canon EOS20D EF16-35mm F2.8L]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-28 10:16 | 風景

風まかせ

e0089532_18554171.jpg白く輝く木漏れ日が手招きする。

綿毛は皆騒ぎだし
朝露に濡れた小さなパラシュートを開き始める。
希望と不安が交錯する厳粛な時間。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-26 18:56 | 植物

店主の椅子

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軒先に、隣家からもらい受けた壊れた洗濯機を一つ並べてみた。
噂は直ぐに広まったらしい。洗濯機が裏の小屋一杯になる程集まった。
荒ゴミの前夜に集積所を回り、電子レンジなども拾い集めた。

夢が叶った『電気屋』で、爺さんは椅子に腰掛けて毎日客を待った。
何年も何年も、じっとそこに座って待った。

何時しか、その椅子だけが店番をするようになっていた。
そこに陽の射す時だけ、黒い野良猫が丸くなっていた。
それ以外、ランドセルを背負ったいたずら小僧達がちょこっと尻を降ろし、
『爺さんの幽霊が出るぞ!』と叫びながら日課のように駆け出して行くだけで、
電機屋の爺さんが居た時と同じように立ち寄る客などいない。

少し斜めに向けて腰掛ける店主の癖を記憶したまま
時を刻み続ける椅子。
『電機屋』に成りたかった爺さんの椅子がある。
[Canon EOS20D EF16-35mm F2.8L]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-24 06:08 | 風景

ネバーランド

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「あなん所に住みたいよね。きっと楽しそうだわ。」
「幻想、幻想。この水と陽の光の具合でそうみえるだけだよ。」
「ほら、だって空も、林も綺麗じゃない。」

直ぐに、太陽は雲に隠れ、青も、白も、紅も灰色の影に包まれた。
「やっぱり、これが現実よね。」と、女がぽつりと吐いた。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-22 09:29 | 風景

終焉

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もう魂の全てが地に吸い尽くされているだろう
キチンの騎士。

枯れ果てた落ち葉のあまりに乾ききった葬送の楽曲は、
時折砂塵に揉まれながら、褐色の両翅を揺さぶり続ける。
純白のニンフになれはしない屍と知らぬかのように。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-18 17:44 | ハチ・アリ

封印

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過去のドラマを封印した窓があった。
恐怖、幻影、微かなもの音。
闇の向こうの誘惑と埃にまみれた拒絶の物語。
その先のあっけないほど薄い壁に隔てられた先に
停止した時空が忍ばせる息づかいが聞こえる。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-16 09:53 | 風景

夕暮れ

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枯れ葉が遊ぶ滑り台。
夏の記憶が銀色のスロープを流れ落ちる。
地に触れる快楽の終焉を見届ける私に一片のうめき声が降り注ぐ。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-13 18:00 | 風景

あの海に行きたい

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断崖までも届く波の叫び声。
不規則にうごめく流れに意識が揺らいだ。
ひょいと大地を蹴れば、きっと全てが開放されるだろう。

身を投げ出してしまいたいような、あの北の海を思わせる波状雲が出ました。
天気はやがて下り坂でしょうか。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-11 06:36 | 雲・空

森のテーブル

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きっと、森の妖精たちのテーブルだと思う。
緑の苔と赤い茸の縁取り。黄色く色づいた落ち葉のアクセント。

色とりどりの葉っぱで一面埋めつくされるまで身を忍ばせて待っても、
純白の羽ばたきは聞こえてこない秋の午睡の森。
[Canon EOS20D EF16-35mm F2.8L]
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by escu_lenta_05 | 2005-11-06 17:01 | 風景