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Colocasia's Photo World

colocasia.exblog.jp

<   2008年 10月 ( 31 )   > この月の画像一覧

ノビタキ[Siberian Stonechat]



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[Stopping Siberian Stonechat(Saxicola maura) on the branch of mum]
虫の姿は滅法少なくなり、
野草の花の季節もシーズンをまもなく終わろうとしている。
自然の被写体も、そろそろターゲットを変更しなければならない。
それで、最近あまり使っていなかった600㎜をカメラに装着して、
これからメインになる野鳥を探して、いつものルートを流した。

菜園に来ると、枯れ草の先にスズメほどの鳥が散り散りに数羽止まっている。
時々飛び立っては、また同じ辺りに舞い戻ってくる仕草をくり返している。
この仕草でノビタキ(Saxicola maura)と判った。
この辺りでは、春と秋の渡りの季節に見られる馴染みの鳥である。
例年ならこの時期にはすっかり南に渡ってしまって、
もう見られない時期だが、南下が遅れているのか、
今年はまだ畑のあちこちで姿が見られる。

上手い具合に菊に止まっている雄がいた。
これ以上はない季節らしい風景で写せるのは有り難い。
大物選手を仕留めてほくそ笑む球団のように、
私のストーブリーグも、
これで弾みがつけばよいのだけれどと願いながらシャッターを押した。

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by escu_lenta_05 | 2008-10-31 06:22 | 野鳥

日だまり[Fall sun and loneliness]



[Basking Smaller Longheaded Locust on the leaf of Persicaria capitata]
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庭のあちこちで花盛りのヒメツルソバ(Persicaria capitata)の葉に、
オンブバッタ(Atractomorpha lata) がぽつんと一匹止まっていた。
雄雌が負んぶしている仲睦まじそうな姿が印象的なバッタだから、
一匹だけでいるのを見ると、とても淋しげである。

   秋の日が背にあたたかくしづかなり  長谷川素逝

葉に体を預けるようにして、
背中を太陽の真正面に向けている様は、
日だまりに腰掛け、
過ぎ去りし日を回想する老いの人の姿にも見えてくる。

秋の陽が眩しい、哀愁の季節がやって来たようだ。

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by escu_lenta_05 | 2008-10-30 06:45 | 俳句

雑草のプライド[Pride of weed]



[Mulberry Weed ,Hairy Crabweed]
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今日はまた庭の雑草シリーズの登場である。
これぞ正真正銘の雑草。
花が綺麗な訳でもないし、大きく美しい実がなる訳でもない。
生えてきたら、邪魔だからと引っこ抜かれてしまうただそれだけの運命。
庭や畑だったら、目だたぬ所でひっそりと成長しない限り、
花をつけ実を結ぶことは出来ないに違いない。
それでも、雑草の如く、いや雑草らしく、
嫌われても嫌われても、旺盛に繁殖するのである。

イントロが長くなってしまったが、その庭の雑草はクワクサFatoua villosa (Thunb.) Nakai。
「ご覧のとおりです」とそれで終わってしまいそうな草姿だから、
これ以上何をいうことも無いだろうと言われそうな、
見るからに地味な野草である。まるで自画像を見る思いだ。
撮影していて、何だか妙に心引かれる思いがしたのは、
我が身と同じあまりの地味さだろうと判り、とても納得してしまうのがお恥ずかしい。

地味な雑草とこのまま終わるのは、
我々と同じように生きているこの草に失礼な気がしてくるから、
少しその草姿をもう一度見てみよう。

クワクサは桑草のこと。クワは蚕を育てる桑の木の「クワ」だ。
言うまでもなく、我々日本人の今日の経済発展を築いたのは養蚕業である。
蚕を飼い絹糸を作り、それを外国に輸出することで、
明治から大正の日本を支えていた重要産業であった。
今の日本はクワノキ無しには無かったと言っても過言では無いだろう。
その神木のようなクワノキにそっくりの葉だから、
この雑草はクワクサと名付けられた。
立派な名を頂いているのであるから、
「雑草」と片づけては失礼なような気がだんだんしてこないだろうか。

葉がクワノキに似ているだけでは無い。
何とクワノキと同じクワ科の植物なのである。
他人の空似などでは無かったのだ。
クワ科といえば、イチジク、コウゾ、イヌビワなどの樹木を連想する。
クワノキは小さな草なのに、立派にクワ科の仲間入りをしている。

そこでもう一度そのクワクサをみてみよう。
なるほど、茎の辺りにあるぶつぶつの塊だが、
これがクワクサの花だ。
雄花と雌花が固まって実のように見えるだろう。
多少出来損ないだが、クワノキの実に良く似ていて、
だんだんやっぱりクワ科なんだとうなずいてきませんか。

花の塊の間に見える小さな白いものが雄蕊だ。
雄花は丸い壺型で、その中に4本の雄蕊が縮こまるように入っている。
4枚の緑の花被が開くに連れ、雄蕊は背を伸ばすように花から顔を出す。
さらに伸びて、最後は反り返る。
それがぶるっと震えた瞬間、花粉が空中に飛び散る仕組みである。
従って、クワクサは風媒花という訳である。

一方雌花は、子房が4枚の花被に包まれていて、
子房の端にある一本の花柱が、花被の隙間から真っ直ぐに伸びだしている。
その紅紫の糸状の花柱には細毛が密生していて、
これに雄花から空中に飛ばされた花粉がつくのである。

上手く受粉すれば結実するが、その種子の散布にも一工夫ある。
種は上部の果皮と下部の花被に包まれていて、
これが水気を含むことで膨張して、中の種子をはじき飛ばすのである。
実の熟したクワクサの枝を揺すってみれば、
ぴょんぴょん飛び散る種子を見られるだろう。

数ある野草をテーマにした自然書で、
あまりにも地味なクワクサが取り上げられることはほとんどない。
だが、じっくりと見直し、その生きる工夫を覗いてみると、
雑草として人を悩ます程に繁殖している植物だけあって、
様々な戦略を凝らして生き抜いているのを知ることができる。

クワクサは国家繁栄の礎となったクワノキの七光りだけという、
ただの雑草などではなく、
「雑草の如く生きる」ことを実践している、
驚くべき知恵の凄さを秘めた野草であると、あらためて知るのである。
「雑草」と呼ばれることは、
実は生物としての栄誉ある呼称なのかも知れない。

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by escu_lenta_05 | 2008-10-29 10:15 | 静物

毛むくじゃらの不思議[Mystery of hairy moth]



[Hanging moth(Pryeria sinica Moore) in leaf of Lamb's Ear]
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ラムズイヤーの葉の裏にミノウスバを見つけた。
オレンジと黒のふさふさした長い毛を纏った小さな蛾が、
幼獣のふわふわな毛に包まれたような葉の裏に、潜まるように止まっている。
その一隅だけが柔らかな秋の陽を受けて浮かび上がり、美しい光景だ。
このミノウスバが庭のマサキの葉を食い荒らす厄介な害虫であることなどすっかり忘れて、
晩秋のささやかな自然の舞台に見入ってしまうのである。

ミノウスバ(Pryeria sinica Moore)の成虫は年一回、晩秋に羽化する。
成虫はマサキをはじめ、ニシキギ科のニシキギ、マユミ、コマユミ、ツルウメモドキなどの枝に産卵する。
成虫は生み付けた卵に、体毛を貼り付け、
越冬する卵を寒さから守る小技を施している。
孵化はマサキの新芽が膨らみ始める3月下旬頃からで、
孵化した幼虫は集団となって新芽を食害する。
若齢幼虫期間も、1枚の若い葉の上で集団となって、葉を食べているが、
齢が進むと単独で辺りの葉を食い荒らすから、
放っておくとマサキの生け垣はすっかり丸坊主にされてしまう。

幼虫の体長は2㎝弱で、淡黄色の体に黒い細いストライブで飾り、
白色の細い毛がぼそぼそと生えている。
その幼虫がマサキの生け垣のあちこちに見えてからはもう手遅れ。
ミノウスバの食害を防ぐ一番の方法は、
冬の内に卵塊を探し出して処分する事である。

その終齢幼虫は5月中旬頃になと食樹を離れ、石の下面などで繭となり、
羽化期の10~11月ままで蛹で過ごすのである。
そして今、半年近く静かに身を隠していたミノウスバが、
スケルトーンの羽根で再び現れる季節となったという訳である。

もこもことした毛に包まれ、
黒とオレンジで色分けされた鮮やかな姿は、
クマバチやマルハナバチを連想させる。
それ故、ハチに擬態しているのだといわれている。

なるほどハチに真似ていることは納得しても、
凶暴なスズメバチやアシナガバチに比べれば、
針はあっても大人しいクマバチやマルハナバチに似せていることが、
どれほどの天敵に対する防御効果があるのかと疑念が湧いてくる。
それより、蛾にしては珍しく昼に飛び回る習性があるのだから、
よく目立つ色彩で雌にアピールしている模様が、
偶々ハチの姿に見えると解釈した方がすっきりとしないだろうか。

写真は立派な櫛歯状の触角を持っているから雄。
雌の触覚は櫛歯のない長い棍棒状だ。
雄はこの大きなアンテナで、雌の居場所を探すのだろう。
毛むくじゃらのむっくり体型でこの大きな触覚だから、
羽根はあっても飛ぶのは正直不細工。
少しの風でも吹き飛ばされてしまう。
生まれた木の辺りをふらふらと漂うのが関の山と思えばよい。
だから、羽根には鱗粉を無くして、少しでも体重を減らしているのかもしれない。

飛ぶのに不都合そうな毛は、冬の卵を守り、
成虫にとっては、気温の低い季節を過ごすコートの役でもあるのだろう。
虫の姿のめっきり減った季節に姿を現すミノウスバ。
その小さな毛むくじゃらの昆虫を見ていると、
生きるための不思議が様々に見えてくるのである。

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by escu_lenta_05 | 2008-10-28 10:29 |

花弁の無い花[Flower that has lost petals:Japanese anemone]



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シュウメイギクが丁度花盛りだ。
一株買ったのを株分けして庭の隅などに植えていたのが、
今年やっと群生して咲いてくれるようになった。
これまでもぼちぼちと咲きはしたのだが、
花数が少ないから、撮影するにも花姿のきれいなのを選びようもなく、
ましてや上手く背景や構図の決まる場所を狙いようもなかった。
これでなんとか思い通りに写せる状況になったのだから、
拙い写真の言い訳はもう許されなくなったのは少々困ったことではある(笑)。 

シュウメイギク(Anemone hupehensis var. japonica)は秋明菊と書くが、
キク科ではなくキンボウゲ科の植物である。
古く中国からの渡来植物で、漢名は「秋牡丹」。
秋に咲く牡丹と見なしたのだろう。
ボタンは現在はボタン科とされているが、
以前はシュウメイギクと同じキンボウゲ科とされていたから、
お互い似て見えるのも納得である。

シュウメイギクはイチリンソウ属(Anemone)の植物で、
そのグループの形質として花弁が無い。
花弁に見えるのは実は萼の部分。
このように、萼片はあっても花冠が無い花のことを「単花被花」といい、
シュウメイギクが良くその代表例として登場する。
同属のイチリンソウはもちろん、ユキワリイチゲなどのイチゲ類や属名でもあるアネモネも、
これと同じ構造の花で、蜜を出さない起源の古い植物である。
だから、花粉を食べる昆虫がもっぱら花粉の媒介をすることになる。

   秋明菊死後の遊びを思いけり   山崎 聡 
   菊の香や垣の裾にも貴船菊    水原秋桜子
   観音の影のさまなる貴船菊     阿部みどり女 

別名は「貴船菊」。
由来は、京都洛北の貴船で野生のものが見られたからと解説するものがあるが、
元来移入種だから、元々野性すると見るのはやや不合理だろう。
貴船で良く栽培されていて、土地柄もあり名所だったからと
見るのが無難な解釈ではないだろうか。

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by escu_lenta_05 | 2008-10-27 07:33 | 俳句

紫式部、それとも小式部?[Japanese beautyberry or Chinese Beautyberry ?]



[The truth of Chinese Beautyberry]
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園芸店で「ムラサキシキ」のラベルで売られているのは、
実は、和名で「コムラサキ」と分類される植物なのだそうだ。
だから、庭に植えられているものの大半は実際は「コムラサキ」の方なのだが、
「ムラサキシキブ」と思いこんでいる人は多いはずだ。
我が家の庭に実生で勝手に生えてくるのを、
あらためて調べてみたら、やっぱりコムラサキだった。
例によって、これも植えた覚えはないから、
鳥が近くの庭から運んできた実から発芽したのだろう。

ムラサキシキブ(Callicarpa japonica)は、いうまでもなく、
『源氏物語』の作者の紫式部に因む名で、「実紫」の別名でも呼ばれる。
コムラサキ(Callicarpa dichotoma )は、和泉式部の娘の小式部内侍に由来した、
「小式部」の別名があり、共に雅な香りのただよう植物名である。
では、この二つの植物の区別点を見てみよう。
まず、ムラサキシキブは葉全体に鋸歯があるが、
コムラサキの葉は先端半分だけに鋸歯がある。
そして、 葉柄と花柄の付く位置は、
ムラサキシキブは近接しているが、コムラサキは少し離れている。

さらに実のつき方はというと、ムラサキシキブは大きな実が比較的バラバラにつくが、
コムラサキは小さな実が丸く固まってつく。
ムラサキシキブは株が大きく葉も大振りで、見た目が粗野な(野性的な)雰囲気がする。
それに対し、コムラサキは枝がしなだれることや実のつく様子から、
全体的に上品で美しくコンパクトで、
ムラサキシキブよりずっと見映えがするから、
日本風の庭にピッタリである。

そこで、園芸向きの「コムラサキ」を和名のままで売り出すよりも、
あの紫式部に因む名の方が優雅でずっと馴染みやすいからと、
園芸界では「コムラサキ」が「ムラサキシキブ」の名で流通している訳である。
これこそ本歌取り、いや本家取りの、ややこしい話しである。

さて、あなたの庭の木は「ムラサキシキブ」、
それとも「コムラサキ」?

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by escu_lenta_05 | 2008-10-26 06:08 | 植物

チビドロバチ[Stenodynerus frauenfeldi ?]



[Stenodynerus sp. on Oxypetalum caeruleum flower]
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咲き始めのパイナップルセージやクレマチスを除けば、
庭の花もそろそろ勢いが無くなって来たようだ。
そんな中、オキシペタラム(Oxypetalum caeruleum)の花は春からずっと咲き続けている。
振り返れば、この花にあまりカメラを向けなかったように思う。
何時でも写せると思うからだろう。

山歩きも無理そうな雨模様。
庭の草花を見て回る。
そのオキシペタラムを見ると、
花にチビドロバチがやって来ていて、盛んに花の上を歩き回っている。
庭で咲く季節折々の花で時々見掛ける、7㎜程の小さなハチだ。

チビドロバチは、竹筒などの穴を捏ねた土で塞ぎ、
幼虫を育てる巣を作る。
ハムグリガの仲間の幼虫を狩って、
この巣に詰め、幼虫の餌にする狩り蜂の仲間である。

チビドロバチ属Stenodynerusは日本で13種ほど記録されている。
中で一番良く見掛けるのはチビドロバチ(S. frauenfeldi)だろう。
小さなハチを写真だけで正しく同定するのは難しいが、
一応、今日のところはチビドロバチだろうということでアップしておく。

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by escu_lenta_05 | 2008-10-25 06:16 | ハチ・アリ

鉦の音[Sound of prayer gong]



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[barking Fruit Cricket (kanetataki, Japan) on the leaf]
庭の雑草を眺めていると(笑)、
「チンチンチン・・・」と鳴く虫の音がある。
それはは5,6声はするが、10までは届かないようである。
      鉦叩十は続かず七つまで  阿部筲人
      十ばかり叩きてやめぬ鉦叩   三好達治
     
規則正しくリズムを刻むその鉦の音は、
一音一音は弱々しいが、しっかりと耳まで届いてくる。
     音短かに一度々々の鉦叩   野沢節子
     鉦叩一打も弛みなかりけり   倉田紘子     

その声の主は何処かと、
確かにこの辺りのはずだと、マサキの垣根に寄って耳をそばだてると、
どうもここでは無くて、
今度は向こうのヤブツバキの方で鳴いているように聞こえる。
     鉦叩垣の外とも覚ゆなり   蚊杖
鳴き声を頼りに姿を探し出すのは意外に難しいカネタタキである。

     なき初めし今宵の虫は鉦叩   高野素十
秋は名ばかりの未だ夏のなごりの夕暮れに、
微かに聞こえる鉦の音。
鉦の響きに涼しさを覚え、秋の訪れを知る。

夕闇と共に鳴き出すその虫の音も、
晩秋ともなれば昼夜を分かたず聞こえるようになる。
     鉦叩昼もたたけりしづかなる   日野草城    
     暁は宵より淋し鉦叩   星野立子 

初秋から馴染みの心和む虫の音も、
やがて秋が深まりそぞろ寒さを覚えると、
その音にもの悲しさが漂う。
     鉦叩ゆうべごころにうちそむる   山口青邨

聞く人もいつしか寂寥感に包まれる。
     鉦叩たたきて孤独地獄かな   安住敦

なお寂しさはつのり、己の愚かさを嘆くのである。
     鉦叩たたけど無明のがれ得ず   成瀬桜桃子

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by escu_lenta_05 | 2008-10-24 06:55 | 俳句

黒いチョウの陰 [Bblack shadow of butterfly]



Dark Evening Brown(Melanitis phedima) stops in the fallen leaves.
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今日は二十四節気の霜降。
太陽黄経が210度の点を通過する日である。
秋もいよいよ深まり霜が降り出す頃という訳だ。
西日本の暖かな地域ではまだ先の話しだが、
北海道、本州の北部や内陸部などから、初霜の知らせを聞くようになる。
日毎に木々の葉は黄や紅の色を濃くし、山はやがて銀繍を粧う。
周期的に寒暖を繰り返しながら、
気温は日一日と着実に下がり,次第に冬へと向かう霜降。

春に足繁く通った里山に入った。
メインの山道から別れる小径に足を踏み入れると、
最近歩く人も少ないらしく、膝位まで草に覆われている。
晩秋らしい野の花やいきものを探して薄暗い林を進むが、
絶え絶えに遠くで聞こえる野鳥の声以外に、
いきものの気配はほとんど無い。

あまりにも暗すぎる所為か収穫もなさそうなので、
引っ返した方が良さそうと思うのだが、
すでに大分進んでいるので少し先の大きな山道に出て、
そこから大きく迂回し車まで返った方が楽に歩けるからと、
この薄暗い道をさらに進むことに決める。

暫く進むと、足下から飛び立つ黒い虫の陰が。
止まった辺りを探すと、
落ち葉に紛れるようにクロコノマチョウが止まっていた。
凍り付いたように息を凝らし、
すっかり枯れ葉に同化している。
何処にいるかと必死に探す私のような物好き以外に、
見つかることはまずないだろう。

クロコノマチョウは「黒木間蝶」と漢表記されるとおり、
元来このような薄暗い林の中に棲むチョウである。
ただ、幼虫はススキやジュズダマを食べて育つから、
幼虫時代は明るい草原や川原で過ごしている。
成虫になって、棲み場所を林に移動するのである。

クロコノマチョウは、九州以南や、黒潮の影響で冬でも温暖な、
本州の海岸沿いの一部の地域に棲んでいた南方系のチョウだったが、
温暖化によって分布域が北上しているようだ。
この里山の辺りでも、冬や春先の林を歩いていると、
突然飛び出すこのチョウに驚かされるから、
もうすっかり土着のチョウの仲間入りをしているのだろう。

暦の上では霜の降る季節の始まりだが、
異常気象変動で、無霜地帯がどんどん広がりつつある日本の里山。
枯れ葉を踏む音だけが響く人影の途絶えた林で、
不意に飛び立つ見慣れぬ黒いチョウの陰にびっくりさせられたら、
きっとそれは、このクロコノマチョウに違いない。
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by escu_lenta_05 | 2008-10-23 05:36 | チョウ

赤蜻蛉



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そろそろタマネギの植え付けが始まる頃である。
何かと雑用ばかりで、ゆっくりと菜園の手入れをする時間がないので、
まだタマネギを植え付ける畝を作っていなかった。
もうタイムリミットなので、所用を早起きで片付けて菜園に向かう。

植え付けや種播きをするには、堆肥を入れて畝を作ってから、
最低一週間くらい間を置かないと、
発芽した苗や植え付けた株の根が焼けてしまう。
それに、土の酸度を調整するために石灰などのアルカリ肥料を入れた場合、
土が落ち着くまでに少なくとも二週間が必要になる。
きれいな野菜を作るには、さらに長く土を寝かせた方が良いのである。
農作業は出来るだけ前倒しで進めないと事が上手く運ばないと判っていても、
万事成り行き主義で計画性が無いから、
農作業も周りの菜園の様子を見て、慌てるというのが恒例の私である。

そのタマネギの植え付け用の畝をどうにかこうにか作り終えて畦で休んでいると、
土に突き立てられた枯れ竹の先に、真っ赤に色づいた小さな赤とんぼが止まっていた。
額の辺りも青緑を帯びた白い顔になり、
すっかり美しい茜色に変身したマユタテアカネの雄である。

柔らかな秋の空を背景に、少し枯れ葉色を帯びた裏の丘の陰と赤蜻蛉。
傍らのカメラを取り出してゆっくりトンボに近づく。
最短至近距離までじわりじわりとねじり寄ってシャッターを押した。

      赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり   正岡子規

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by escu_lenta_05 | 2008-10-22 06:31 | 俳句