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<   2011年 04月 ( 15 )   > この月の画像一覧

小枝のそっくりさん

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蛾の幼虫がいると言うので、指し示される枝を見回すが
一向に見つからない。
年々老眼が進行し、もう虫を相手にするのも引退かと
少し気落ちしながらも、懸命に探している。
ようやく探し当てて、これでは目が悪くなくても気が付くまいと、
少し安堵する。

リョウブの小枝にそっくりに化けているのは、
キバラヒメアオシャクという尺取虫である。
幼虫で越冬して、若葉が萌えだす頃に目覚め、
マツ、ヤナギ、ブナ、クワ、バラ、ウコギ、ツツジ、スイカズラなど
様々な科の植物の葉を食べる。
日本では、北海道から西表島まで広く分布する
普通に見られるアオシャクの仲間である。

成虫は名のとおりに腹部に黄白色の横帯があり、
薄い青緑の翅の美しい蛾である。
幼虫は、地味な褐色系の体色だが、
ジャノメチョウ科の幼虫のように、
頭頂には耳状の突起があって可愛らしい。
その体色は、上半身が枯れ木色で、
下半分くらいが緑を帯び、リョウブの小枝に良く似ていて驚く。

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すばらしい擬態に感動して、他にはいないかと探すと、
今度は常緑樹の木枝に止まっているのを見つけた。
緑葉の先には芽吹きが伸び出している。
その若葉が開くのを待ち構えるかのように、
しっかり幼虫が陣取っている。
今度の幼虫の体色は全体褐色で、先ほどの幼虫とは大違いで、
止まっている緑の枝葉にちっとも紛れていない。
では、キバラヒメアオシャクの幼虫は、
擬態をする賢い昆虫ではなかったのだろうか。

昆虫の体色は、カメレオンやアマガエルなどのように、
環境に合わせて瞬時に色を変えられない。
昆虫は、生まれる前にどんな体色になるか決定されているから、
偶々取り付いた枝葉の色によっては、
このように、擬態の効果が今ひとつという場合も起きるのである。
それで、とんでもない場所に止まってしまって、
天敵の餌食になるリスクを少なくする工夫をしている。
キバラヒメアオシャクの幼虫は、
緑から褐色のバラエティーに富んだ体色の多様性によって、
場違いな色で目だってしまう危険性を軽減させている。
この2枚の写真は、そのほんの一部なのである。
撮影:2011.4.25/TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8
昆虫の体色の多様性は→オンブバッタの体色をご覧ください。
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by escu_lenta_05 | 2011-04-29 17:48 |

ナナフシの七不思議

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つい最近まで、ナナフシの標準和名(最も一般的な和名)はナナフシモドキが良く使われていた。
しかし、今ではナナフシの方が標準和名として通っているようだ。
かつて、ナナフシモドキの和名が普通だった頃、「モドキ」だけがいて、
ご本尊の「ナナフシ」がいないのか不思議だった。
その訳を探ってみようと思いながら、ずっと放っていたのだが、
この幼虫を見たのが引き金になって、やっと調べてみる気になった。

その話を→ HPに載せましたのでご覧ください。

撮影:2011.4.25/TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8
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by escu_lenta_05 | 2011-04-27 21:31 | バッタ・カマキリ

シロヘリカメムシの産卵

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林道の縁の枯れたサクラにカメムシが止まっていた。
逆さになって細い枯れ枝をしっかり掴んでいる。
よく観ると、尻の上側に卵塊がある。
シロヘリカメムシの産卵の最中のようだ。
いや、産卵が終わって、休んでいるところかもしれない。

シロヘリカメムシはミヤコザサなどのササ類を餌にする草食のカメムシだ。
それがなぜサクラの枯れ枝に産卵しているのだろう。
周りにササが生えていれば、孵化した幼虫がそこまで移動すれば
問題ないのだろうが、その近辺にはササは生えていない。
これはどうもイレギュラーな産卵のようだ。
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帰宅してから、「図説 カメムシの卵と幼虫」という本を調べてみた。
それによると、ササの若い葉や茎に産卵すると書かれている。
やはり普通でない産卵場所だったようだ。
シロヘリカメムシは珍しいカメムシではないが、
ササ原に葉や枝の影に隠れていて、人目に触れにくいから、
産卵の場面に出会うチャンスはあまりないだろう。
偶々このような目立つ場所で産卵していたから
撮影できたのはうれしい。
しかし、孵化してから幼虫はどうなるのだろうと気がかりだ。

シロヘリカメムシは成虫で越冬して、春に交尾し、
5月上旬から6月上旬に産卵するという。
今年は春の進みが遅いので、ササの若葉の出が遅れているようだ。
一時の急な暑さの日に越冬から目覚めて、
繁殖がササの生育より進んでしまい、
仕方なくサクラの枯れ枝に産卵することになったのだろうか。
この春の普通でない気候は、
昆虫の繁殖にも影響を与えているのかもしない。
撮影:2011.4.25/TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8
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by escu_lenta_05 | 2011-04-26 10:13 | セミ・カメムシ

クロセンブリ

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棚田の脇の道を歩いていると、
ネザサに2㎝ほどの黒い昆虫が止まっていた。
頭はヘビトンボのようだが翅はトビケラのようでもある。
この少し変わった昆虫は、センブリ科のクロセンブリである。

幼虫は肉食性で、緩やかな流れの小川や池沼に棲み、
2月ごろ地上に上がって蛹になる。
西日本では、成虫は4月下旬頃羽化する。
水が温み始める頃に姿を見せる春を告げる昆虫といえるだろう。
幼虫期は肉食だが、成虫は花の花粉を食べるので、
水域を離れた草の葉などに止まる姿を見ることが出来る。

これに似た近縁種にヤマトセンブリがある。
こちらは古い図鑑には普通に見られると書かれているが、
現在は環境省のRDBに名を連ねているから、
最近は数がかなり少なくなっているのだろう。
クロセンブリはこれより一般的な種のようだが、
どこでも簡単に見られる訳ではない。

チョウやトンボなどのようなポピュラーな昆虫ではないが、
この変な姿形が何とも魅力的に思える。
同じく春を告げる昆虫であるのに、
ギフチョウなどの人気の昆虫の影で、
ほとんど見過ごされてしまいそうな里山の貴重な生きものに違いない。

撮影:2011.4.24/TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8
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by escu_lenta_05 | 2011-04-25 11:20 | 脈翅類

芽鱗落つ

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一週間前、家の周りでは、林のコナラが一斉に芽吹き始めた。
その木々の枝先には、冬芽の芽鱗を脱ぎ捨て、
銀色の産毛をいっぱい纏った幼葉が寄りそうように付いていた。
それから一週間、幼葉はそれぞれ葉柄を伸ばし、
驚くほどのスピードで展葉し、
まだ小ぶりだが、すでに成長した葉の姿に近づいている。

昆虫にとって、それは柔らかで美味しい旬のご馳走に違いない。
展葉を待ちかねるように越冬から覚めたのだろう、
その若葉の上には、グルメのコカシワクチブトゾウムシが早速姿を見せている。
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そんな萌え木のナラ林の中を歩くと、
林床に敷き詰められた落ち葉の上に、
茶褐色の種のようなものが無数に散り落ちている。
その剥かれた種の皮に見えるのは、
よく観れば、みな冬芽が脱ぎ捨てた芽鱗だった。
落ち葉の上だけでなく、
瑞々しい若葉の上にもちょこんと乗っかったりしている。
木々の枝先の若葉にばかり目を奪われていたら、
林床にも萌え木の季節ならではの風景が広がっていたのだ。

サクラやギフチョウばかりが春の訪れを知らせる風物ではないだろう。
ほとんど見向きもされない足元にも、
季節の移ろいを映し出してくれる
小さいけれども、確かな季節の標があった。
春の定番の生きものを写すより、
こちらの方が余程面白いと思えて来た。

さて、この風景をどう言葉で表現すればよいのだろう。
秋の終わりのモミジの「落ち紅葉」や「散り紅葉」を真似てみる。
「芽鱗落つ」それとも「芽鱗散る」
この言葉が春の季語になるには、どれも今ひとつですかね。

撮影:2011.4.21 (上)/4.22 (下)/TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8
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by escu_lenta_05 | 2011-04-23 21:56 | 季節

あしかび

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葦牙(あしかび)は葦の若芽のことである。
冬に葦を刈り取った葦原に、今の時期に行くと、
水辺で葦の芽吹きが始まっていて、
水面や岸辺に尖った新芽が点々と伸び出している。
その尖った新芽は牙や角、あるいは錐に見えるから、
葦の牙、葦の角、葦の錐などと呼ばれる。
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4月20日は二十四節気の穀雨。
この気(期間)の七十二候の初候は「葦はじめて生ず」である。
そんな水が温み出した春の風景を写そうと、池で葦牙を狙った。
なかなかアングルが決まらず、
夢中になってファインダーを覗いていて、
うっかり池の深みに長靴のかなり上まで入ってしまった。
長靴の中にたっぷり水が入り込み、
ズボンも靴下はもちろんずぶ濡れになった。
自然相手の撮影は、滑ったり転んだりと色々大変だ。
撮影:2011.4.20 / Canon Compact-Macro EF50mm F2.5

以前に書いたあしかびの記事もどうぞ。
http://colocasia.exblog.jp/5438415/
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by escu_lenta_05 | 2011-04-21 21:18 | 季節

フジハムシの産卵

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草木が凄まじい勢いで芽吹き、葉を広げている。
一週間前の様子に比べると、まるで別世界である。
昆虫の姿を探すのに苦労するほどだったのが、
今日は次から次に色々な昆虫に出合い驚かされる。
これで春は一気に深まって行くのだろう。

フジも芽吹き、蔓を伸ばし、若葉が展開を始めている。
その蔓の上や芽吹きの中を小さな甲虫が蠢いている。
越冬から目ざめ活動を始めたフジハムシだ。
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ちょっと蔓に触れただけで、ぽろりと落ちてしまうから、
数は多いのに、フジハムシを撮影するのは案外大変だ。
上手くカメラに収まりそうなのを探していると、
まだ充分に葉を広げていない幼葉に産み付けられた
チェリーピンクのゼリーのような卵塊が目に留まった。
その近くにフジハムシがうずくまる様に休んでいる。
産卵を終えて一休みの雌なのだろう。

フジハムシは、すでに前年に交尾を終えている越冬個体が、
フジの葉が出るのに合わせて越冬から目ざめ、直ぐに産卵するのだろう。
これが孵化する頃には、柔らかな若葉が上手い具合に展葉していることだろう。
撮影:2011.4.20 / Canon MP-E65mm F2.8 1-5x
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by escu_lenta_05 | 2011-04-20 21:30 | コウチュウ

ヤエムグラ

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七重八重に草が折り重なった草薮を想像してしまう
いかにも雑草らしい名前のヤエムグラ。
それに、花はさえない薄黄緑色で、大きさはわずか1,2ミリ。
見向きもされずに、片隅に生える雑草中の雑草といったところだろう。
しかし、なぜかこんなさえないものにカメラを向けてしまうのは、
自分の写し絵のように見えてくるからだろうか。
だが、それは見た目だけのことで、
たくましく生きる、まさに雑草魂を持った植物で、
どうやら、へな猪口の自分とは大違いのようである。

葉や茎には逆向きの棘がたくさん生えていて、
周りの枝葉に引っ掛け、足がかりにして這い上がり成長するのである。
葉っぱをちぎって、服に付けて勲章の真似事をして遊んだ人もあるだろう。
それで「くんしょう草」とも呼ばれる。
種子にも同じような毛があって、人や動物に引っ付いてあちこちに
種子を拡散させる「ひっつきむし」の仲間である。
英名のcleaversは、種を投げつけてくっつける子供の遊びに由来しているという。
雑草の賢い戦略と知らず、子供はまんまと種子の分散を手助けしているのだ。

茎を取り巻くように付いている7、8枚の葉の内、本当の葉は2枚だけ。
残りは托葉で、葉と思うのは実は見当違いなのだ。
また、葉腋から花序や枝の出ていないのも葉ではなく托葉だ。
ヤエムグラで思い出すのは、小倉百人一首で有名な恵慶法師の
「八重葎 繁れる宿の さびしさに 人こそ見えね 秋は来にけり」
この歌の八重葎は、カナムグラの地方名が「やえむぐら」だから、
ヤエムグラではなく、カナムグラだという説もある。
また、単に折り重なって生える草のことだという解釈もある。
では、ヤエムグラはどうかといえば、
この野草は花が終わって、夏には枯れてしまい、
晩秋に芽生えて春に繁るので、これまた見当違いということになる。

子供をだしに使ったり、大人に見当違いをさせたりと、
子憎たらしい雑草だが、人に役立ったりもしているようだ。
ヨーロッパでは、この若草を食用にしたり、
種をコーヒー豆の代用にしたのだそうだ。
さらに、属名のGaliumのgalaは、ギリシャ語の牛乳の意味で、
同属のカワラムマツバ類は、チーズを作るときの凝固材に使われたという。

自分に似たさえない草姿で、親近感を覚えたのだが、
強靭で、知恵者で、有用でと、
知れば知るほど、自分とは比較にならないほど
遠い存在の植物だったのである。
撮影:2011.4.16 / Canon MP-E65mm F2.8 1-5x
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by escu_lenta_05 | 2011-04-19 18:59 | 植物

メジロの巣作り

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仕事部屋の窓越しに見えるハンギングバスケットに、メジロが止まった。
何しに来たのかはすぐに想像出来た。
巣材を取りに来たのである。
以前にも、フエンスに吊るし放しのこの棕櫚製のギングバスケットの
繊維を引き抜いて持ち去るのを何度か見ている。
急いでカメラを構えて、ガラス越しに撮影した。

メジロの巣はゴルフボールが1個入るほどの小さな巣だ。
オニグモなどの糸を二股になった小枝に張り、
それにススキやビニールの糸などとクモの糸とを絡めて、
ハンモックにお椀を乗せたような巣を作るのである。
そして、棕櫚の繊維は良く使われる巣材という訳だ。
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巣の雛が孵る頃には、木々の葉は若葉に覆われている。
その柔らかな葉を食べる様々な昆虫の幼虫や
昆虫を目当てにするクモがたくさん増えているから、
春が深まると、メジロは雛の餌探しに不自由しなくなる。
野鳥の多くが若葉の季節に繁殖するのは、
この時期が餌の確保が容易な季節だからだろう。

メジロは葉の茂る木で、昆虫やクモのほかに、
ツバキやサクラなのど花の蜜、
カキなどの熟した果実などを餌にしている。
メジロの体色が緑なのは、主に木の中で生活する習性から、
木々の葉陰に上手く身を隠すのに役立っている。
それに、巣を緑のコケを貼り付けたりと、
敵から簡単に見つからない工夫を凝らしている。
僅か10gほどの小さな野鳥だが、都市の街路樹や公園の中でも
しぶとく繁殖出来るのは、こうした隠遁術も役立っているのだろう。
撮影:2011.4.15 / Canon EF75-300mm F4-5.6
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by escu_lenta_05 | 2011-04-17 17:47 | 野鳥

トウダイグサ

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里山のあちらこちらに、トウダイグサの群落が目立っている。
手元の本を調べてみると、とても面白い植物だと分かった。
そのエッセンスをHPの記事にしてみた。
そして、以前のブログの記事も。
撮影:2011.4.11 /TAMRON SP AF Di 90㎜ F2.8
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by escu_lenta_05 | 2011-04-16 18:04 | 植物