人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

Colocasia's Photo World

colocasia.exblog.jp

ハンゲショウ

ハンゲショウ_e0089532_556847.jpg

夏至は梅雨盛り。
雨はしとしと何時止むともしれず降り続く。

夏至から十一日目が「半夏生」。
この日は天から毒気が降ってくる日、と昔の人は信じた。
前夜から井戸に蓋をし、雨戸を引き立てて家にこもった。
生野菜を断ち、禁欲にこの日を過ごした。

今の世に、半夏生がそれほど特別な日だと知る人が一体幾人居るのだろう。
でなくても、この世は毎日天から毒物が降り注ぎ、大気には汚染物質が
満ちあふれている。
四六時中半夏生のようなものだから、昔語りのように忘れ去られるのも最も
なのかもしれない。

ハンゲショウと言えば、この写真のドクダミ科の半化粧を先ず思い出すだろう。
でも、「半夏」といえばサトイモ科のカラスビシャクのことで、これが生え出す
頃だから七十二侯では「半夏生」なのである。
季語辞典をひもとけば、ドクダミ科のハンゲショウのことを「半夏生草」と
解説する。半夏、半夏生、半夏生草と、字が次々に降り注ぐように重なり、
ややこしいこと限り無しの「ハンゲショウ」。
やはりこれは、きっぱりと葉一面に厚化粧しなかった報いに違いない。
何事も中途半端はいけないのだ、と我が身を反省しながらそう思う。
[Nikon D1X AF50mm F1.4D]
by escu_lenta_05 | 2006-07-05 05:56 | 植物
<< 青葡萄 ネコノヒゲ >>