十数年来の顔馴染みのイノシシ君だ。
農家の庭先で、軽自動車の荷台ほどの大きさのゲージで飼われている。
きっと、農作物を荒らしにやって来て捕らえられたのに違いない。
いつもは、小さな檻の中で寝ているか、拗ねたようにお尻を向けているばかりで、
愛想の一つも無いイノシシ君なのだが、今日は珍しく顔を見せてくれた。
闇から覗く目と合う。これ程まじまじと見たのは初めてのことだ。
小さく虚ろな瞳の奥に、虚無と款諦が漂っていた。
「今日も寝ているな」と、ちらっと眺めて通り過ぎるばかりだったのを後悔する。
一声でも掛けてやらないと気の毒な位に病んでいる顔だ。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]
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