冬ざれの湖畔に立つ侘びしげな柳の木立。
葉がほとんど抜け落ちた枝は、
夕暮れのシルエットに、包み隠しようが無い程全てが映し出され、
悄然とした風景に曝され、立ち尽くしている。
安富風生は詠んだ。
「蕭条とつまびらかなる枯柳」と。
だが、もうこのような寒々とした風景とはお別れかもしれない。
林に入って木々の枝先をじっくりと観れば、
冬芽は既にはち切れそうに膨らんでいる。
寒々として侘びしい風景は、
草木の目覚めとともに、間もなく終わろうとしている。
[Canon EOS20D TAMRON IF28-75mm F2.8]