カラスはごみステーションを荒らす厄介者。
スズメは収穫間近のイネを食い荒らす害鳥。
どちらも人の身近で暮らす鳥の代表だ。
お互い同じ環境に居るのだから、ニアミスも頻発する。
カラスは体がずっとでかいから、小さなスズメなど追い散らして我が物顔で餌を漁る。
一方のスズメは、空にその黒い大きな鳥陰が近づくだけで怯え、サッと飛び去る。
でも、この写真のカラスとスズメは我関せずの風ではないか。
スズメは薄のシーソーで飛んだり跳ねたりをくり返すだけ。
カラスはあらぬ方を向いてそしらぬ様子。
理由は簡単。
皆満腹だから。
その手前の畑は、丁度今トラクターで耕し終えたばかり。
程よく熟成した牛糞の肥やしと、
土の中で冬眠中だった虫やカエルがかき混ぜられて、
色とりどりの新鮮なご馳走が、畑全体にどーんと並べられた。
この鳥達、その山盛りのご馳走を鱈腹食べたばっかりなのだ。
「衣食足りて礼節を知る」
満ち足りた所には、戦いやいがみ合いなど生まれないのかもしれない。
[Nikon D2X AF-S ED600mm F4DⅡ+TC14EⅡ]