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浅春に、少女の昂りを秘めながら

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 「春あさし人のえにしの絶ちがたく」 横山白虹

日課のように集まって、堤防に作られた階段で語らう三人の老婆。
農作業の進み具合、今日の持病の様子、孫の自慢話、嫁の失態、・・・。
もう何度も聞いた話さえ、まるで初めて聞いたかのように
「ほうほう」と相づちを打って、止めどなく続く会話。

河原に沿って吹く風はまだ冷気を吹くんでいるのに、
こうしてまた、闇を抜け出た季節にまみえることの出来る喜びは、
余生を背後から急き立てられながら削り取られる人には、
春の小鳥の囀りに劣らぬ少女の頃の昂りを蘇らせるのだろう。
が、それは深い皺の合間に仕舞い込んで、
寒い季節の会話と変わらぬリズムでしゃべり合うのである。

浅春の陽の確かな明らみの中、
また今年も、こうして互いに語らえるであろうことを感じながら、
老婆の語らいの輪は、何時も以上に絶ちがたく、
傍らの川のせせらぎのように、止むことは無いのである。
[Nikon D2X ED70-180mm F4.5-5.6D]

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by escu_lenta_05 | 2007-02-15 05:58 | 俳句
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