庭に紅と白の覆輪の二つの梅の木を植えていて、
どれも観梅が主目的の品種だから、
実付きもあまり良くなく、梅干しにしても味が今ひとつなので、
数年前に食実用の「加賀白」と「南高梅」の2品種を植えた。
加賀白の方はとっくに花は散ってしまったが、
南高梅は今ようやく花が咲き始めたところだ。
南高梅の花を見てみると、アンズの血を引いてるのだろう、
深い紅色の萼は、大きく反り上がって花柄を取り囲んでいる。
高級梅で有名なその実も、うっすら紅を帯び、大粒で柔らかい果肉で、
その姿形にもどことなく杏性のルーツを匂わせている。
「南高梅」の由来はこうである。
和歌山県みなべ町の高田貞楠は、桑畑を梅畑にしようと、
30アールの畑に、「内中梅」の実生苗60本を植えたが、
その中に、大粒で美しく紅を帯びる優れた一本を発見。
これを母樹に育種が進められ、「高田梅」と呼ばれた。
その後、南部高校園芸科の生徒達の熱心な栽培技術などの研究もあって、
高田梅は優良品種に認められ、「南部高校」と「高田」の名をとり
「南高梅」と名付けられたのだそうだ。
実付きも良いはずの南高梅だが、我が家の木は花付きが悪く、
実もさっぱり着かない。
この品種は、温暖な地で育種が進められたのだから、寒さに弱いのかもしれない。
我が家で最も降霜と氷結の出る、霜溜まりのような一角に植えたのが拙かったようだ。
実が鈴生りになるのを期待して、陽当たりの良い場所に移植した方が良さそうだが、
狭い庭ではそれも思うように行きそうにはない。
気の毒な話しだが、梅の木に寒さに強くなって貰うしかないようである。
↓
人気blogランキングに参加しています。今日もクリックで応援をよろしく!
*ちょとCM
右フレームの自著は、これからの桜の季節にピッタリの一冊と思います。
ソメイヨシノなど4種の桜を含めた106種のいきものを紹介しています。
フルカラーで楽しむ季節のいきもの解説です。
以前に出版した本ですが、そろそろ桜前線の季節ですので紹介します。