我が家の庭で、繁殖力旺盛なハーブの中の最右翼はレモンバームかもしれない。
何の手間もいらない。春になればシソにそっくりの苗が無数に生え出して勝手に成長し、
初夏になれば、これまたシソの花形に良く似た小さな白い花が咲き始める。
水掛けはもちろん施肥も要らない有り難い植物だ。
雑草にも負けずいくらでも生え拡がっているから、使い放題。
庭に降りて葉を採って来て、カップに入れて熱湯を注げば、忽ちフレッシュハーブティに。
レモンの香りを繊細にしたような芳香が辺りに漂う。
刈り取った株を布袋に入れて湯船に浮かべれば爽やかなハーブバス。
勿論、スイーツの香りづけにも。
レモンバームの学名はMelissa officinalisで、これから別名は「メリッサ」。
メリッサ油は気分を鎮静させ、心を穏やかにさせる効能があり、
うつ病など、脳や神経の障害に効果があると言うから、
悩ましい現代人にはピッタリのハーブではないだろうか。
Melissaは、「ミツバチ」を意味するギリシャ語に由来している。
さらに、ギリシア神話の主神ゼウスは、
乳母アマルティアに山羊の乳を、その妹のメリッサに蜂蜜を与えられて育ったという。
それ故、メリッサが蜂蜜を採った植物が「メリッサ」と名付けられたのだとか。
何れにせよ、レモンバームはミツバチが蜜を集めるために良く集まる植物ということだろう。
庭のこの花を見ていると、小花に相応のちっちゃなコバチが頻繁にやって来て、
株の下から上へと日毎に咲き昇る花に潜り込んでせっせと蜜を舐めている。
これなら、どの花も完璧に受粉し、沢山の実を結ばせることだろう。
何の世話も無しに、庭に旺盛に繁殖するレモンバームの秘密は、
ちっぽけな花の奥に溜め込まれた甘い蜜にあったようだ。
[Canon EOS20D 、Planar 85mm F1.4、接写リング使用]
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