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Colocasia's Photo World

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小さなうるし掻き職人

第29回SSP展の御案内
日本自然科学写真協会の第29回SSP展は6月6日の東京を皮切りに、大阪、京都、宮崎、岡山など各地を巡回します。中村征夫、栗林慧、海野和男、竹内敏信などTVや写真雑誌でお馴染みのネイチャー系の写真家の作品も展示されますので、お近くの方は是非ご覧下さい。なお、私の写真は2月5日にアップの「アカクビナガハムシの幼虫」です。




小さなうるし掻き職人_e0089532_6491525.jpg

池の縁に生えている背の低いヤマウルシの新梢に小さなゾウムシが止まっていた。
暫く前から茎に象の鼻のような長い口吻を差し込んで、
何ヶ所か穴を開けていたらしく、その周りから白い樹液が滲み出ている。
ヤマウルシの傷口から出ているのは「うるし」に間違いない。
うるし掻きをしてこれを餌にするなんて、
変なゾウムシもいるものだと思う人もあるに違いない。

さて、この小さなうるし掻き職人の名はホホジロアシナガゾウムシ。
長い口吻でヌルデやハゼ類の枝に穴を開けてそこに産卵する習性をもつゾウムシだ。
この7,8㎜ほどの小さなゾウムシは餌のうるしを集めている最中ではなく、
ヤマウルシの新梢に穴を穿って産卵している場面と言う訳だ。

ところで私はウルシが大の苦手。
ウルシにかぶれで何度も悲惨な思いをしている。
だから、ウルシの類の植物を見たら迂回して通り過ぎることにしている。
しかし、この場だけは知らんぷりをして通り過ぎる訳には行かない。
昆虫の面白い生態を探して歩き回っている最中なのだから、
そうそう見ることのない貴重なゾウムシの産卵シーンを、
ウルシにかぶれになるのが怖い位でみすみす逃してしまう何て出来ない。
と、意を決して写した今日の一枚である。
[Nikon D2X ED70-180mm F4.5-5.6D]


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by escu_lenta_05 | 2008-06-06 06:49 | コウチュウ
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