蔓無しインゲンの株が倒れないように突き刺してある竹に
ホソヘリカメムシの終齢幼虫が止まっていた。
このカメムシはエンドウ、ダイズなどのマメ科の野菜の害虫として有名だ。
と言うことは、このインゲンで発生したのは間違いないだろう。
もう飽きるほど収穫したから、このカメムシが少し居着いたところで問題はない。
カメムシは名の通りに大概カメムシの甲羅のような形をしているが、
ヘリカメムシ類は細く長い体型のものが多く、亀のイメージからは少し遠い。
ホソヘリカメムシはその典型で和名の通りにほっそりした体つきだ。
幼虫はご覧の通りに腰がくびれていて、これはアリに擬態しているのだそうだ。
そう言われてみると、触角のスタイルや仕草もアリに見えないこともない。
昆虫の擬態は、
落ち葉や枯れ枝などの周りの環境に似せて体を外敵から守る隠蔽擬態がよく知られているが、
スズメバチや体に毒を持ったチョウなどに似せるベイツ型擬態というのもある。
ホソヘリカメムシは蟻酸を吹きつけて敵を威嚇するアリに似せているから、
ベイツ型擬態と見て良いのだろう。
カメムシはあの異臭のカメムシ酸で鳥などから捕食されるのを守っているから、
このホソヘリカメムシは二重の護身システムを備えていることになる。
擬態にはミューラー型擬態と言うのもある。
例えば毒針を持ったアシナガバチ類がどれもそっくりの模様をしていて、
この模様なら毒針がある昆虫であることを集団で強くアピールする擬態だ。
さて、もの凄く臭いカメムシ類だが、
その悪臭をアピールするミューラー型擬態が存在するだろうか。
特に臭いカメムシは暗緑色や褐色など寧ろ地味な模様種が多いようで、
このような擬態は俄に思い浮かばない。
以前紹介したナガメはこれらと異なり派手な色彩だ。
鳥の嫌う液をを出すテントウムシに似ていなくもない。
やはりこれなどもミューラー型擬態でなく、ベイツ型擬態だろう。
様々な知恵で生き抜くカメムシの擬態を検証するのもなかなかおもしろそうだ。
[Nikon D1x SIGMA 17-70mm F2.8-4.5DC]
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