暑さが一息ついたからか、庭にチョウの舞い飛ぶ姿が多くなった。
アゲハ、キアゲハ、モンシロチョウ、ホシミスジ、ヤマトシジミ、
ヒメウラナミシジミなどが御常連だが、
それに加えて、チャバネセセリやイチモンジセセリも仲間入りするようになった。
写真のイチモンジセセリは集団移動することで有名だ。
チョウの移動と言えば、最近ではアサギマダラがすっかり有名だが、
イチモンジセセリもこれにひけを取らない。
18億匹もの集団での移動が観察されたり、
潮の岬の南方海上500㎞に停泊する気象観測船の上を飛ぶのが確認されたりと、
小さな体に似合わずこちらもかなりのスケールで大移動する。
これほど凄いチョウなのにアサギマダラに比べれば人気は今一。
それどころか嫌われ者である。
姿が地味な茶色で蛾に似ているからだろうか。
一方のアサギマダラは、浅黄色という日本人好みの柔らかい色彩と
ふわふわとした優雅な飛び方も人気の一因かも知れない。
5月頃、遙々南方から日本列島に集団移動してきたイチモンジセセリの幼虫の食草はイネ科。
ススキ、チガヤなどの雑草ばかりか、イネを餌にしながら世代を増やしつつ北上する。
7月頃には最北の北海道までたどり着く集団もある。
日本列島で大集団の3世代目が発生する頃が丁度イネの最盛期の初秋。
最大の不人気の原因は日本人の主食の米の大害虫であることが理由なのだろう。
私の小さな頃は、イナゴやウスバキトンボの大集団と共に、
このイチモンジセセリもウジャウジャと秋の田で見られたが、
今ではそんな大集団には出会わない。
イネの葉を筒状に綴り合わせて巣を作るこのイネツトムシの被害も
農薬やイネの栽培法の改良で減少しているのかも知れない。
さすれば、害虫のイメージは薄れ、その隠れた超能力が純粋に評価され、
いつの日かアサギマダラほどに有名になれるのかもしれない。
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