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恐怖物語[Frightening story]



[Stoppinng larva of Sevenspotted lady beetle in dry grass]
恐怖物語[Frightening story]_e0089532_6351485.jpg


立冬の野を歩くと、
まだ頑張って咲き続ける遅咲きの花や、季節を誤って咲く返り花といった
季節はずれの草花に出合って驚かされる。
だが、それは野の花ばかりではなかった。
なんと、ナナホシテントウ(Coccinella septempunctata) の幼虫までいるではないか。
この時期でも、ナナホシテントウの成虫なら驚きはしない。
何故ならこのテントウムシは成虫で越冬するから、
暖冬傾向のこの頃では、師走に入ってからでも暖かな日には、
枯れ草の畦の上で日光浴をする姿が見られるからである。

だが、この時期にあってまだ幼虫期となれば、かなり珍しい。
これから蛹になって、成虫にならなければ無事に越冬はできないのだから、
このままではまず死んでしまうに違いない。

餌があるのだろうかと、幼虫のいる辺りを見回せば、すっかり枯れ野原。
餌のアブラムシは植物の若い葉や茎などに寄生するから、
もう発生時期はとっくに終わってしまっていて、
幼虫の餌などどこにも無い。
偶に幼虫同士の共食いもあるそうだが、
当然のようにそんな相手も見あたるはずもない。

ちっぽけな虫が上手く冬を乗り切れるかどうかという
たかが虫けら一匹の運命に過ぎないのかもしれない。
しかし、季節はずれの幼虫を生み出しているのは、
地球規模の気象変動の影響だとすれば、
この初冬のナナホシテントウの幼虫が見せているのは、
「来るべき未来の姿の具現化であって、
里山のいきものが繰り広げるささやかな珍事が、
一気に恐怖物語に見えてくる」といえば、
大げさなこととやっぱり一笑されてしまうのだろうか・・・。



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by escu_lenta_05 | 2008-11-11 06:35 | コウチュウ
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