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ツクシの胞子



ツクシの胞子_e0089532_76511.jpg

ツクシももう盛りを過ぎる頃だろうか。
六角形のカメの甲羅のような胞子嚢床は隙間だらけで、
見るからに中はスカスカで、もぬけの殻といった風のツクシが多い。
まだ胞子が飛んでいない出始めのツクシは、
六角形の胞子嚢床ががっちり隙間無く集まっている。
日が経つと次第にその隙間が目立って来て、
その間から胞子が煙のように漂い出すようになる。

胞子の飛び出す瞬間を写してみようと、
丁度頃合いのツクシを探して、
指先で突いてみると、緑を帯びたような黄褐色の胞子が
一斉にワッと飛び出した。
ツクシの中には何と200万個もの胞子が入っているという。
その胞子は、弾糸という四本の糸状の翼を広げていて、
これでタンポポの綿毛のように遠くへ飛ぶのだそうだ。

ツクシは胞子を飛ばして繁殖することから種子植物でないのは納得出来る。
さて何の仲間かといえば、研磨に使うトクサ(砥草)と同じ
トクサ科トクサ属のシダ類である。
シダと言えば、ヘゴやシノブなどの葉を広げる草姿を想像するから、
ツクシの植物体(親)のスギナからは、
こらがシダの仲間とは俄に納得しがたいが、
3億年の昔の石炭紀に繁栄し、
石炭の元となったシダ植物のグループの唯一の生き残りだったのである。
その頃には何と10~30mを越すものもあったというから、
巨大なツクシが地を割って伸び出す姿をさぞかし迫力満点だっただろう。

ツクシと言えば、早春の山菜取りの季節だけ目を向けられるだけだが、
実は植物の太古の歴史を知る上で貴重な存在なのである。
そうと知れば、ツクシも一層深い味わいになるかもしれない。

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by escu_lenta_05 | 2009-03-30 07:06 | 植物
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